皇太子ご夫妻は6日午後、東日本大震災の避難所として使われている東京都調布市の味の素スタジアムを訪れ、被災した人たちを見舞った。病気療養が8年目になる雅子さまは近年、皇居以外の公的な外出が年数回程度にとどまっているが、今回の慰問は「ご夫妻の強いお気持ちと体調を勘案した」(宮内庁)という。

味の素スタジアムには、福島県などから約130人が避難している。ご夫妻は体育館の床に正座し、一人ひとりと言葉を交わした。涙ぐんで言葉を詰まらせる人たちもいた。

福島県富岡町の自営業小林順子さん(39)は10歳の息子らと避難してきた。皇太子さまは「怖かったでしょうね」、雅子さまも「お子さんはお元気ですか」と気遣った。小林さんは「息子はイライラした状態が続いていましたが、ここの学習コーナーで好きなサッカーのものを見て、ようやく笑顔が出ました。ホッとしました」と答えた。やり取りの後、小林さんは「これまでこらえてきたが、(ご夫妻に)話を聞いていただき、本当に気持ちがほぐれました」。

雅子さまは、避難所から調布市の小学校に通い始めた新2年生の福嶋ななせちゃん(7)にも「新しいお友達ができて良かったですね」「いい小学校だった?」と声をかけた。

避難所では、雅子さまの体調を心配する被災者が「早くよくなるといいですね」と声をかけ、雅子さまが「ありがとうございます」と応じる場面も。同県浪江町の高松せい子さん(60)は「体調がすぐれないのに来て下さり、お目にかかれてうれしかった。『がんばります』と答えました」と話した。

避難者の支援を続けている宮内庁は8日以降、味の素スタジアムなど東京都が設置する都内3カ所の避難所の人たちを皇居東御苑の花見に招待する。会場では皇宮警察本部の音楽隊が「世界に一つだけの花」「負けないで」などの曲を演奏するという。
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