天皇、皇后両陛下は30日午後、東京都足立区の都立東京武道館を訪れ、東日本大震災で福島県などから避難してきた人たちを見舞った。

都によると、都が設けた3カ所の避難所には東北などから約590人が避難しており、東京武道館には福島、宮城、岩手の3県などから来た125世帯289人が避難生活をしている。

緑色ジャンパー姿の天皇陛下と青い上着の皇后さまは、ついたてや段ボールで仕切られた床や畳にひざをつき一人ひとりに声をかけた。

福島県南相馬市から避難してきた杉忠夫さん(80)一家に、天皇陛下は「ご家族皆さんご無事で?」と声をかけた。杉さんらが「11日夕に家族みんなで避難して避難所は5カ所目です。家族は助かりましたが、亡くなられた方が大勢おられて……」と声を詰まらせると、陛下は「津波は大きな被害をもたらしましたね。どうか皆さんお元気でね」と励ました。

皇后さまは、同県いわき市から7カ月の赤ちゃんと避難している学生鈴木優里菜さん(20)に「ミルクやお水は大丈夫?」「眠れているの」と気遣った。解体業をしている鈴木さんの夫は一緒に避難していたが、仕事のため1人で福島に戻ったという。鈴木さんは「皇后さまに優しい言葉をかけて頂き、安心しました」と話していた。

皇后さまは、帰り際に通路で子どもたちに囲まれると「元気でね」と笑顔で手を握っていた。

天皇陛下に「頑張って」と声をかけられたいわき市の金丸直美さん(43)は「すごくうれしかった。こういう所ではなくて、また日常に戻ってからもう一度お会いしたい」と話していた。
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