
Release Date: 2009/1
Genre: Ballad
01. 라이야
02. 라이야 (Acoustic ver.)
03. 라이야 (inst.)
EYES ON ME
M.net Media
M.A WILDDOG
CMCC-8092
2008/08/11
8809231381702
●3曲+そのインスト2曲(都合5トラック)による08年夏シングル。イ・ヒョリ「10 minits」の作詞者…という看板がどうにも似合わない、歌手としては正統派アイドルのキム・ウンジさん、年齢非公開とはいえ日本での活動ではぜひ“明日”と名乗っていただきたいところだが、今回のアルバム・タイトル同名曲は一聴してイ・スヨン唱法の研究のあとを感じさせる中華風! …というのはまったくの他人の空似ではなく植松伸夫(クレジット上はNOBOUなっている)が『Final Fantasy (VIII)』に書いた曲で元歌手はフェイ・ウォン(…その後に日本ではアンジェラ・アキがカバー)というから、聴感上、中華風かつイ・スヨン風というのは因縁的な根拠が皆無なわけではないのであった(ネタの取り上げ方としてはパク・ヘギョンの「Lemon Tree」とも共通して、洋楽やJ-POPカバーというよりはC-POPカバーのつもりかもしれない。ちなみに元曲は英語歌唱、アキ版も英語。原作詞は染谷和美。したがってここで作詞家=MayBeeの肩書きが活きてくるわけである)。
●しかしMVが制作された事実上の活動曲は(2)のほうで、あろうことか、名曲「Fly me to the …」を下敷きにしたとしか思えない(こちらも作詞は本人)ラテン・アレンジ(ボサというよりも)で、さらに見事なまでにボケ役少女な夏の野外MV風景もまた脱力なプロモ体制となっている(特にトランペット担当の男子がイケているが、劇中のMayBeeとは別に深い仲にならない…等)。すでに本人のラジオ番組のテーマに使用されて好評というが、実は、ユン・ドヒョンの番組などでも「Fly~」を英語で披露していたりするので、こういう嗜好をブラス入りのバンド曲としてリアレンジしたのがこの(2)ということになりそう。そして、最後の(3)だが、これは同名異曲ではなくて、ハーモニカ・ソロから始まるキム・ヒョンシクの名曲。アレンジもほぼギター1本と病床のヒョンシク的な演出になっており、歌が途切れるあたりも許される範囲の脚色となっている。3曲でそれぞれ唱法を変えているが、ちゃんとやれば(…!)イ・スヨン並みなのではないかというギワク(というか期待?)もあるので、本来彼女の後継であるはずのIvyが欠席中のいま、歌手として是非前面に出ていただきたいところである。なお、(3)はインストver.にすると単なるキム・ヒョンシクのインストになる(作曲はオ・テホである)せいかオケ曲はないものの、(4)はいわゆるFFシリーズのオーケストレーションに通ずるいい意味でのケレン味があり、テンポ的にもおそらくもっとも遅いカバーver.のため、国内的には好まれるところであろう。
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※装丁的にはインナーが16pのカラーでうち歌詞とクレジットが3pなので、残りは基本的に本人の写真で、その中で読んでいる絵本は日本語の童話となっている。
Luv Cloud
MNET MEDIA
CMCC-0964
Enhanced CD
2007/10/04
a LetTer frOm Abell1689
CJ MUSIC
PLEDIS
CMBC-0636
2006/04/06
●イ・ヒョリのタイトル曲(1、2集とも)作“詞”者として名を成していたヒトの歌手デビュー作。m.netとタイアップによるティザー広告(日本でもそのまま放映)でモデル=ソン・ダムビを起用(→「多笑」MV)した関係で、だれがMayBeeなのかやや混乱気味だがジャケに関しては本人。つまり作詞力と容貌については才色兼備としてよいところまでは確定…。問題の歌唱力はイ・スヨンからオリエンタル要素を抜いた状態=実態は優等生的CCM(キリスト教歌謡)~アイドル系とみてよいでしょう。曲中の英語発音やうぉううぉう言ってもほとんどR&B化しない(ファニとのduetでようやくなんとか)あたりがこの仮説(本人が熱心な教徒かどうかはともかく)を大きく裏付け、10曲目以降は(歌はあれども)ほぼCCMインスト後奏状態。タイトル曲だけはさすがに(というかティザーが効いているためか)イントロ、サビとなかなかクセのある刷り込み系。が、(6)「I Wish...」などは松田聖子世代ウケ狙いかというほど正鵠を射た正統派歌謡曲。その分、イ・ヒョリとの同性duet(7)は打ち消し合い部分のない絶妙の臨時チームという評価もあり。なお、MC Mongが語る(5)はケルティック・トラッドがネタ、そして(14)というかアルバム・タイトルの1689とは、ポルトガルに後のジョアン5世が誕生した年…とかではなく、天体名のAbell1689(20億光年のかなたにある“空間を曲げる”銀河団)のこと。といってもMVはリスボンで撮影されており、まったくじょえ~ん5世と無関係というわけでもないもよう。というわけで(?)とにかく作詞(本作では作曲も)の才ととりあえずのルックスと、“歌謡曲”としては十分に及第点の歌唱とで、総合点的にはSEEYAのギュリちゃんと競えそうな予感(あとは何頭身かがカギか)。90年代型アイドル待望の方には、ややおすすめとしておきます。J-POPの裏側というか表側にあるという意味では演歌ネタもR&Bワザも最新洋楽パーツも使ってないのに「全部引いてもこれが残っているのか、K-POP」的な王ジャパンを連想させる無欲の勝利状態(ちょっと違う)。
●ちなみに4/10時点で確認されているだけでもMVには2verあり、ステファニー(天上智喜のあのヒトなどではなくモデルさん)編と、ダムビ編が存在、それぞれがオトコを巡って主導権を握るという2つの逆パターンなのだが、本CDに収録されている「多笑」はステファニー編での編曲で、ダムビ編の演歌調(piano)イントロ編曲については本作には収録されていない状況となっている。